あの日、死ぬことを許されなかった2人の男
吉良邸討入り後、苦しみながら生き抜いた16年の歳月に隠された感動の結末が明かされる!
大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七士による討入り、切腹というクライマックスは「忠臣蔵」 の本当の結末ではなかった。
なぜなら、赤穂浪士の中に討入り後の 「使命を与えられた」 二人の生き残りがいたのだ。
最後の忠臣蔵
一人は、討入り前夜にすべてを捨てて姿を消した瀬尾孫左衛門。
もう一人は討入り後、切腹の列に加わることを許されず、大石内蔵助より「生き証人として、後世に真実を伝えよと」との密命を受けた寺坂吉右衛門。
それから16年、名誉の死を許されなかった二人が再会する。
かつては厚い友情で結ばれた二人が、かたや命惜しさに逃げた裏切り者、かたや英雄になれなかった死に損ないとして─。
あの日、孫左衛門に何があったのか?
スタッフ・キャスト全員が脚本に惚れ込み実現した豪華製作チーム
この作品を製作する大きな理由に、スタッフ・キャスト全員が脚本に惚れ込んだという事実がある。
大石内蔵助から密命を受け、ただひたすら身を隠し忠義を果たす男、瀬尾孫左衛門役に役所広司。
一方、討入りに参加し、その後諸国に散った赤穂浪士の遺族たちを援助するという使命を受けた、寺坂吉右衛門役に佐藤浩市。
豪華キャストに支えられ、時代劇の王道を威風堂々と歩みきった監督は、国民的人気ドラマシリーズ「北の国から」の杉田成道。
1703年の元禄赤穂事件から16年後、二人の生き残りを描くという、今までの忠臣蔵の作品とは違った角度からとらえている池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」(角川文庫)を、『ツィゴイネルワイゼン』
『ヴィヨンの妻』 『桜桃とタンポポ』 で知られる田中陽造が大胆に脚色、心に響く脚本へと見事に書き上げた。
完成した脚本を読み、感動を共にしたキャスト、スタッフによって、製作が実現したのである。