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内容紹介
世界を滅ぼす怪物か?
世界を変える天才か?
17歳。黒人の高校生ルース。誰からも称賛される優等生だが、過激思想の疑いも・・・。彼は“完璧な優等生"か、それとも“恐ろしい怪物"なのか―。
■人間の謎めいた本質、アメリカの理想と現実をえぐり、全米で絶賛されたサスペンスフルなヒューマン・ドラマ 2019年のサンダンス映画祭でプレミア上映されるや批評家の絶賛を博し、全米の賞レースで20を超える賞のノミネートを達成。その年の最も優れた独立系作品を選定するインディペンデント・スピリット賞でも監督賞、主演男優賞、助演女優賞の主要3部門に名を連ねた『ルース・エドガー』は、深刻な矛盾をはらんだアメリカ社会の現状をリアルにえぐり出し、謎のベールに覆われた人間という存在の本質に鋭く切り込んだヒューマン・ドラマである。
模範的な若者として学校や地域の誰からも愛され、称賛される少年の“知られざる真実"をめぐって展開するサスペンスフルなストーリーは、観る者の好奇心をかき立てるにとどまらず、私たちの内なる潜在意識を揺さぶり、先入観を根底から覆していく。
■誰からも愛され、称賛される少年は何者なのか。完璧な優等生か、それとも恐ろしい怪物なのか?
全編出ずっぱりの主人公ルースは真意不明のミステリアスな存在である。J・C・リーの戯曲「Luce」の映画化である本作は、観る者に強烈な問題提起を突きつけてくる。ルースの“完璧な優等生"というイメージは、彼に期待する両親や校長らが一方的に押しつけたものではないのか。それとは真逆の“恐ろしい怪物"という見方も、極端に偏った思い込みなのではないか。人種、容姿、性別、階級、学歴、思想、信仰……いったい人間の“価値"とは、何によって決定されるのか。アメリカという国の歴史や政治をも取り込み、その理想と現実をあぶり出した本作の懐の深さに、誰もが感嘆せずにいられないだろう。
■注目の次世代スター×実力派キャストが、“真実"をめぐって衝突する圧巻のアンサンブル
ルース役に抜擢されたのは、終末スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』における迫真の演技で注目されたケルヴィン・ハリソン・Jr.。同作品のトレイ・エドワード・シュルツ監督と再び組んだA24配給の青春映画『WAVES/ウェイブス』でも主演を務め、今まさしくブレイク中の新星が、まだアイデンティティが確立されていない17歳の少年の葛藤を生々しく体現する。
ケルヴィン・ハリソン・Jr.を囲む主要キャストには、輝かしい受賞歴を誇る実力派が配された。プライベートに問題を抱えながら、ルースと激しく敵対する教師ウィルソンを演じるのは、『ドリーム』『シェイプ・オブ・ウォーター』のオクタヴィア・スペンサー。また、ナオミ・ワッツとティム・ロスが愛する息子への思いがけない疑念に動揺するリベラルな夫婦に扮し、観客の視点を担う役どころに説得力を与えている。
ストーリー
アフリカ系移民の高校生ルースはオバマの再来と呼ばれる文武両道の優等生だが、ある日教師のウィルソンが彼のロッカーから違法な火薬を発見したことをきっかけに、たちまち疑惑の人物に。家族の中でも、様々な疑念や軋轢が生じ始める。本当にルースに非があるのか?それともウィルソンが彼に偏見を持っているだけなのか?両親にも教師にも自分を信じてもらえずに苦しむルース。果たして、真実を語っているのはいったい誰なのか?